第23章

御影怜司は黒ずくめの装いで、羅刹めいた面差しを隠しもせず、全身から気だるげな高貴さを漂わせていた。

ただ一つ、首元に巻かれた真っ白なマフラーだけが異物だった。そこに散らされたカートゥーン柄が、沈黙と冷気をまとった彼の輪郭に、わずかな生気を差し込んでいる。

男は車椅子のまま、無表情で内厅へ入ってくる。

酒井初音のそばまで来ると、長い指で、少女の細く白い指先を何気なく引っかけた。

仕草はあくまで気怠く、崩れている。なのに――なぜだろう。人の世に降りた羅刹、そのものの気配があった。

彼が声を出した瞬間、会場の視線が一斉に吸い寄せられる。

御影家。帝都屈指の名門、その頂点。

そして御影...

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